中1「扇型」の教え方
扇型で抑えておくべきなのは以下のとおり。
①公式 ②逆算 ③複雑な扇型の図形の面積 ④円錐の表面積
順番に解説していこうと思います。
①公式
l=2πr×a/360のように公式的に教えるのはオススメしません。
<扇型の公式>
弧の長さ=円周×中心角/360
扇型の面積=元の円の面積×中心角/360
のように意味が理解できる教え方をオススメします。意味が理解できることに時間をかけて構いません。生徒によっては円周、円の面積の求め方がスムーズでない生徒もいます。また、「長さ」と「面積」を混同している生徒もいます。合わせて確認してみましょう。
扇型の例題をいくつか解かせて、できているようなら次へ。
②逆算
弧・半径がわかってる状態から中心角を求めるような、方程式を解くものです。ここでも、弧の長さの公式と扇型の面積の公式を混同して使う生徒がいるので、使い分けは大事だと強調しておきましょう。
で、例えば半径6で弧の長さ3πの中心角を求める場合に、
6×2×π×a/360 = 3π
まで立てられる生徒は多くても、そこから先に進めない子が多いです。πがあって身動きが取れないんです。「両辺にπがあるから消せるんだよ」と軽~く教えただけでは次に同じ問題に当たった時には忘れているでしょう。
ちゃんとポイントとして強調して教えなければならないことに注意してください。生徒に以下のようなメモを取らせるのが有効です。
point πがある方程式はπで割る
例.半径6で弧の長さ3πの扇型の中心角は?
6×2×π×a/360 = 3π ←πがある方程式はπで割る
6×2×a/360 = 3
a = 90°
③複雑な扇型の図形の面積
例えば上みたいな問題のことです。ここは一度やり方だけ伝えて、解かせてみるだけで良いと思います。生徒も意外と簡単だと気付くはずです。
注意したいのは、πの文字式と定数項部分を足し引きしてしまうこと。9-9π/4のように、答えの形が生徒によっては「変」だと思って足し引きする生徒がいます。文字と定数項は足し引きできないことを再確認しておきましょう。
回転移動におけるこの種の問題は結構難しいので、生徒によってやるやらないの判断はしてください。
④円錐の表面積
上の3つよりは優先度は低めです。これの表面積を求める問題。
この問題は見た目以上に難しいんです。
というのは、
- 表面積は展開図を書く
- 円錐の展開図は扇型+円である
- その扇型の弧の部分と円の円周部分の長さは等しい
- 等しいことから弧の長さの公式により扇型の中心角を求める方程式を立てる
- πのある方程式はπで割る(前述)
- 中心角を求めたら扇型の面積の公式により扇型部分の面積を求める
- 円の面積も忘れずに足す
これらのことをすべて理解していなければならないのです。特に弧の長さの公式と面積の公式を使い分けするところは難易度が高いです。逆にこの問題ができているようなら扇型はほぼ理解できてると思います。
一度流れを例を用いて説明して、メモを取らせて、何度も演習させてやっと形になるという感じだと思います。根気強くいきましょう。
※おそらく、一回分の授業だけだと①、②までが限界。授業が二回取れるようなら③、④も、という感じでしょうか・