中3「根号の中を簡単にすること」の教え方
題名の通り。根号の中をできるだけ整数にする技術。この技術は平方根の計算において応用範囲が非常に広いです。
板書
<√ の中を簡単にする>
point 素因数分解をして、2乗(2つセット)のものは√ の外に出せる
例1 √20 = √(2×2×5) = 2√5
例2 √180 = √(2×2×3×3×5) = 2×3√5 =6√5
例3 √96 = √(2×2×2×2×2×3) = 2×2√(2×3) = 4√6
解説としては、なぜ2つセットになっているものは外に出せるかというと、そもそも√2×√2 = 2で、√の中にある数字は2つセットになってれば√が外れる(外に出せる)でしょ、と付け加えます。色分けによりどの2セットなのか意識させること、二乗が二つある(すなわち4乗)パターンも理解させること、を工夫しました。
上のこと自体は理解できる子が大半です。しかし、この単元の難しいのは他のルートの計算をするときでも、常にこれを意識しなくてはいけないことです。例えば答えに2√12と書いたらバツになりますし、√24×√12なんかは√ の中を簡単にしてから計算すると楽です。分数でいうと「約分」に近いです。常に意識するものです。
常に意識できるようになるためには、√ の中がどんな数なら簡単にできるかを知っておくのが良いです。√ の中を簡単にできるできないが楽に判断できれば、常に意識するのも苦ではなくなるはず。
板書
<√ の中を簡単にできるorできない>
point1 大きい数(50以上)は簡単にできる可能性が高い
例1 √200 = √(2×2×2×5×5) = 10√2
例2 √55 = √(5×11) = √55 ←簡単にできなかったら元に戻す
point2 4の倍数、9の倍数は簡単にできる
例 4,8,9,12,16,18,20,24,27,28,32,36,40,44,45,48 ←これらは全部簡単にできる!
ちょっと特殊な教え方かもしれないですが、我ながら良い教え方だと思ってます。教師側も「大きな数だし、ちょっと素因数分解してみるか」とか「これ2がたくさん因数にありそうだな」とか、似たような感覚を持ってるはずです。多くの教師でも大きい数だったら警戒しとけと教えますが、「小さい数」である8とか12とか18とかを警戒しない子が多いです。そこをカバーするためにpoint2が役立ちます。
一応50という数字も工夫したんですけど、分かりましたか?「4の倍数と9の倍数は簡単にできる理論」から外れてしまう、最初の数が50(25の倍数)なんです。
この説明では厳密には1,25,49が抜けていますが、流石にそこらへんは分かると思います。厳密性よりも分かりやすさを重視。