中3「4つの項の因数分解」の教え方
この記事で扱うのはこんな問題。
問1. x-2xy-1+2y
問2. x^2-6x+9-4y^2
比較的難易度が高く、定期テストでは出ても一・二問程度なので、定期テストで80点くらい取れている生徒が対象です。逆に、それ以下のレベルの生徒ならこの問題に割く時間をもっと基本問題に割くべきです。
2種類の板書を取らせます。
板書1 因数分解における「似てる」
point x-yとy-xや、a-3と3-aは似てる
公式1 x-y = -(y-x) ←正負を変えれば同じ
使い方
2(x-y)+a(y-x)
=2(x-y)-a(x-y)
=(2-a)(x-y)
公式2 (x-y)^2 = (y-x)^2
使い方 (3-x)^2 = (x-3)^2 = x^2-6x+9
まず、この前段階の板書がないと後々4つの項を因数分解したときにうまく処理できない生徒が多発します。しっかりポイントとして強調しましょう。
板書2 4つの項の因数分解
point1 4つの項はとりあえず2項・2項に分けて因数分解してみる
例1 5x^2-3x+10xy-6y → 5x^2-3x 10xy-6y
= x(5x-3)+2y(5x-3)
= (x+2y)(5x-3)
例2 x-2xy-1+2y → x-2xy -1+2y
= x(1-2y) -(1-2y)
= (x-1)(1-2y)
point2 2項・2項で試して駄目だったら3項・1項を試す
例 x^2-6x+9-4y^2 →とりあえず2項・2項で試す
= x(x-6)+9-4y^2 ←ダメ
戻して、3項・1項を試すと、
x^2-6x+9-4y^2 → x^2-6x+9 -4y^2
= (x-3)^2-4y^2
『x-3=Mとおくと、
= M^2-4y^2
= (M+2y)(M-2y)』 (『』は省けそうなら省いてください)
= (x-3+2y)(x-3-2y)
板書1の方はポイントとして教えない教師も多い気がします。が、重要度の高いポイントだと思います。板書2のpoint1の例2のような場合に、なんで教師がスラスラ因数分解出来るかというと、 1-2yと-1+2yが「似ている」と感じれるからです。生徒がこの問題ができるようになるためには、この「似ている」という感覚を知らなければなりません。
また、板書2のpoint2の思考回路も大事です。この問題は一度試して、駄目なら戻すという試行錯誤をしていいわけですが、それを知らないと例にある2行目のx(x-6)+9-4y^2のような形で諦めてしまいます