塾講師、数学マンは踊る

数学塾講師バイトによる数学の教え方。高校受験のための中学数学が専門。

2015年度4月(4/19)北辰

例のごとく北辰の分析をします。

 

1(1)~(3) 計算

(4) 意外と代入を正しくできない子が多いので注意が必要。教師側も軽視しやすいです。代入の原則は以下の3つです。

①()をつけて代入する

②+xに代入するときだけ()を付けなくてもいい

③代入先を簡単にしてから代入する

分かってないなら上のように整理して教える必要があります。

(5) 代入法の連立方程式。やはり()をつけて代入させること。また、代入法に関しては加減法で処理することも可能です。汎用的な計算の仕方という意味で結構重要なので、知らないようなら教えましょう。

(6) bについて解け、という問題。この種の問題は「ルール」があると教えます。

①移項をする

②項ごとに掛ける

③左右を同じ数で割る

要は等式の性質を言い換えただけのものです。「等式の性質の通りやれ」と言われても、そもそも等式の性質を正しく理解できてない生徒が多いため、その教え方は有効とは言えません。上のように新ルールとして教えた方が生徒にとっても理解しやすいです。

(7) yをxを用いた式で表わせ、という問題は「y = 」の形にすることが定跡。

(8) 「直線の式」という言葉があったらy=ax+bを書くというのが定跡です。また、切片関連の知識も一緒に教えられれば一石二鳥です。

(9) 平行線の角度の問題は角の部分に平行線を引く、が定跡。

(10) 相対度数の知識があるかどうか。また、相対度数で小数で書くことを知っているか。

(11) ①ナンプレ式の、文字の計算の問題。解説して理解出来てるならそれでOKです。

② 難問。文字式による説明の問題で、書き方(型)に関しては過去に解説したことがありまして、その通りでいいかと思います。

中2「文字式による説明」の教え方 - 塾講師、数学マンは踊る

書き出しに関しては、「9つの連続する整数の和はどう表せますか」という問題。その次が特に難しく、それを三等分して3n+12ずつに分けるという発想ができるかどうか。最後は型通りに処理できればいいかと思います。良問だと思いますが難しいので、今の段階で無理に解説し切る必要はそこまでないです。

 

2(1) もし「次出た時に出来る」ということを重視するなら、以下のようなパターンを教えるのが有力でしょうか。

展開図について、立方体が作れる条件 【OKWave】

ただ、展開図の問題は色々なパターンが出てくるので、その度にイメージをすることが本筋のやり方だと思います。その場合、空間図形と展開図のイメージを訓練する機会を作るべきだということになります。

(2) なんと今年の埼玉県入試問題のほぼパクリ。180度を3:1に分ける→45度の作図というのが思考の流れになります。

(3) 樹形図を書いて、その意味を自分で理解しているか。

(4) 回転体の問題の中でも簡単な部類でしょう。

(5)  方程式の文章題の立式では、珍しく簡単な問題です。また、通常この種の問題では方程式のxがそのまま解答になることは少ないのですが、今回の②では解いたxがそのまま答えとなってます。方程式の文章題をやけに捨てたがる生徒がいるので、「ちゃんと考えてみろ」というメッセージでしょうか。

 

3(1) 関数の増加量の問題。xに代入すればなんとかなると思ってる生徒が多いです。増加量の問題は変化の割合の公式を用いる、代入はNGというのが定跡です。

(2) 難問。座標を求める問題はそのx座標をtと置くことが定跡ではあります。あとは文字の利用が非常に上手い子は解けて、そうでない子には難しい、という印象です。「文字で面積を表現する」ような問題が得意な子なら解説の価値があるかもしれないという程度。

 

4(1) 平行四辺形であることの証明。理由をつけながらの証明に慣れている生徒なら簡単のはず。逆に言うと、これができなかった生徒には証明に理由を付けさせるようにすると改善するはず。

(2) 難問。何が難しいかと言えば書き方です。面積比に関する記述を正しく行える生徒は現段階でかなり少数派のはず。とりあえずは何倍かを求められればいいです。

(3) 難問。ですが良問でもあります。軌道の問題は開始時と終了時を図示することが定跡です。開始時と終了時のイメージができ、Dが扇型の弧の軌道を描くことが分かれば、後の計算は楽です。

 

 

総括

全体としては標準的で、難問においても良問が増えてます。良問が増えた理由として、記述式に切り替えたのが大きいのではないでしょうか。

 

他科目では、社会が非常に簡単だったそう。